2025年1月期のフジテレビ火曜9時ドラマとして放送された『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~』。主演を務めるのは、数々の話題作に出演してきた波瑠さん。
本作では、”カメラアイ”と呼ばれる瞬間記憶能力を持つ女性刑事・柊氷月(ひいらぎ・ひづき)が、忘れたくても忘れられない過去と向き合いながら、難事件を解決していく姿が描かれます。
『アンフェア』『ストロベリーナイト』に続く、令和の新たな女性刑事ドラマ!
刑事ドラマの枠を超え、「チームドラマ」としても楽しめる本作。
柊班のメンバーそれぞれが抱える秘密や過去、そして事件を通じてどのように変化していくのか。
この記事では、『アイシー』の全話あらすじをネタバレ付きでまとめ、重要な伏線や考察も交えながら解説していきます!
目次
放送情報
放送局:フジテレビ
放送開始日:2025年1月21日(火) ※初回15分拡大
脚本:高橋悠也(『金田一少年の事件簿N』『仮面ライダーギーツ』他)
演出:佐藤祐市(『ストロベリーナイト』『シティーハンター』他)
主題歌:ずっと真夜中でいいのに。「シェードの埃は延長」(ユニバーサルミュージック)
各話あらすじ&ネタバレまとめ
第1話:埋められた遺体と7年前の失踪事件
空き家の和室で、畳の下から遺体が発見された。事件を担当するのは警視庁捜査一課第3強行犯第1係。主任の柊氷月(波瑠)は瞬間記憶能力「カメラアイ」の持ち主で、その冷徹な態度から「氷の女王」と呼ばれていた。
捜査が進む中、氷月は野次馬の中に7年前に見た女性を発見する。その女性・相川遥(山口まゆ)は、7年前に行方不明になった浅倉さつき(森ふた葉)の友人だった。さつきの失踪と今回の事件に関係があるのではないかと直感した氷月は、彼女に話を聞くことにする。
一方、発見された遺体はスーパーの店長・小山田満(水澤紳吾)と判明。小山田は生前、評判の悪い人物で、多くの恨みを買っていたことが分かる。捜査班は小山田の交友関係を洗い出し、彼が働いていたスーパーで騒動が起きていたことを突き止める。
そんな中、氷月は現場近くで不審な男性・江藤達夫(黒羽麻璃央)に目をつける。江藤は以前、窃盗の前科があり、さらにスーパーで女性用の下着を購入していた。彼の行動に違和感を覚えた氷月は、車のナンバーを追跡し、自宅を訪問する。
江藤は「女装が趣味で、交際相手がいる」と話していたが、その言葉とは裏腹に、彼の家には女性の持ち物が異常なほど多く存在していた。さらに、氷月の「カメラアイ」によって、江藤の部屋にあったロゴ入りのケースが、7年前に失踪したさつきのものだと判明。氷月は急いで江藤の家を再捜索し、鍵のかかった部屋を発見する。
鍵を開けると、そこには7年間も監禁されていたさつきがいた。衰弱しきった彼女は、外の光を浴びると泣き崩れる。江藤は逃亡を試みるが、氷月の推理によりすぐに身柄を確保される。
取り調べの中で、江藤は小山田殺害を自白。小山田は江藤の「実験」の邪魔をしたため、口封じのために殺害されたのだった。
感想&考察
第1話から衝撃の展開!監禁された少女が7年ぶりに発見されるという重いテーマながら、氷月の冷静沈着な捜査が光った回。
彼女の「カメラアイ」がいかに捜査に役立つのかがしっかり描かれており、江藤の「人間観察」という動機が異常すぎて恐怖を感じました。このドラマ、ただの刑事モノではなく、心理的な駆け引きやサスペンス要素が強いですね。
第2話:連続飛び降り事件の真相
人通りの少ない工業地帯で、身元不明の女性遺体が発見された。状況から飛び降り自殺の可能性が高いとされるが、柊氷月(波瑠)は現場の不自然さに違和感を覚える。さらに三日後、同じように身元不明の男性が別の場所で飛び降りる。
氷月は安田大丸(石黒賢)から情報を得て、タレコミをした女性・小林梓(森日菜美)に接触する。彼女の証言により、最初の被害者がアパレル業界で働いていた安達景子(嶋村友美)であることが判明。小林は、安達が悩んでいたことを強調し、自殺を見たと証言するが、氷月はその言葉に疑念を抱く。
捜査が進むにつれ、穂村正吾(森本慎太郎)は監視カメラ映像から、安達が3人の男女と口論の末、車に押し込まれる様子を発見。その中の女性は小林だった。
氷月は小林に再度尋問を行うが、彼女は頑なに関与を否定。しかし、武田彰(竹財輝之助)という男が暴れた際に押収した品の中から、安達のクレジットカードが見つかる。
さらに、解剖の結果、被害者の体内から睡眠薬が検出される。捜査を進めると、3人の男女がSNSで「集団自殺」に関するやり取りをしていたことが判明。しかし、氷月はその流れに疑問を抱く。
菊池麗華(佐藤みゆき)の供述から、安達が途中で死ぬことを拒否し、逃げようとしたところをスタンガンで気絶させられたことが判明。結果的に、彼女は意図的に突き落とされたのだった。
事件解決かと思われた矢先、武田が駐車場で遺体として発見される。彼を殺害したのは一体誰なのか——?
感想&考察(約200文字)
第2話では、SNSを通じた「集団自殺」という社会問題を扱いながらも、実際には巧妙な殺人が絡んでいるという展開が印象的でした。氷月の冷静な推理力が際立ち、彼女の鋭い洞察力が事件解決のカギとなりました。また、武田の死によって、裏にさらなる黒幕がいる可能性があり、物語は次なるステージへ。
第3話:復讐の連鎖と闇に消えた真相
武田彰(竹財輝之助)が逮捕直前に何者かに殺害される。氷月(波瑠)は「単なる口封じではなく、計画的な犯行」と推理し、捜査を開始。
現場のドライブレコーダー映像から、武田を殺害した男の姿を確認。犯人は佐伯克哉(町田大和)と判明するが、取り調べの中で「武田薫という女性から依頼を受けた」と供述。しかし、「武田薫」は実在しない架空の人物だった。
調査を進めると、「武田薫」を名乗るアカウントの開示請求から、安達景子の名が浮上。彼女はかつて武田の被害に遭い、SNSを通じて復讐を決意していたことが判明する。
一方で、氷月たちは武田の妻とされる小林梓(森日菜美)にも話を聞く。小林は「家族を守るために仕方なく協力した」と涙ながらに語るが、その言葉に氷月は違和感を覚える。
事件の鍵を握る菊池麗華(佐藤みゆき)に再度事情を聴くと、彼女は「私たちはただの被害者だ」と開き直る。しかし、小林のマンションを調べた氷月は、彼女が残した手紙を発見。その内容から、小林は菊池の指示で武田を殺害する計画に加担していたことが明らかになる。
感想&考察
第3話では、復讐がさらに深い悲劇を生むことが描かれました。氷月が冷静な捜査を続ける一方で、事件に関わる人々の感情が渦巻く展開は非常に見応えがありました。また、「武田薫」という架空の人物を使って復讐を果たそうとした安達景子の行動には、SNSの危険性や匿名性の恐ろしさも感じさせます。
第4話:警察内部の闇と新たな犠牲者
瑞江律(柏木悠)が急変し、命を落とすという衝撃的な幕開け。警察内部でも問題視され、柊班への監視が強まる中、新たな事件が発生する。
公園の大木にもたれかかった男性の遺体が発見される。死後、胸に「IZ」という文字が刻まれており、猟奇的な犯行が疑われる。被害者の身元は西村圭一郎(小林正寛)で、投資会社の会計経理を担当していたことが判明。彼は不正に関与していた可能性が高く、捜査班は彼の勤務先に目を向ける。
西村の自宅を調査する氷月(波瑠)と土屋(山本耕史)は、彼が家族と別居し、妻や娘との関係が冷え切っていたことを知る。さらに、事件当日の西村の行動を追うと、彼が最後に接触したのは投資家・奥貫純生(小久保寿人)だった。
奥貫の自宅を訪ねた氷月たちは、彼の妻・梨々花(小林涼子)が事件現場近くにいたことを知る。氷月の鋭い記憶力が、梨々花の言葉の微妙な違いを見抜き、捜査は新たな局面を迎える。
さらに、氷月の元に瑞江の死を受けて捜査班を解散させる動きがあるとの情報が入る。瑞江の意志を継ぎ、捜査を続ける決意を固める氷月。しかし、氷月は部下たちに「無茶な捜査をするな」と忠告する。
事件の捜査が進む中、奥貫純生の誘拐事件が発生。投資詐欺に関与していた彼は、多額の損失を隠していた可能性が高い。しかし、氷月はこの誘拐が「狂言」ではないかと疑い始める。
感想&考察
第4話では、警察内部の動きと並行して、新たな事件が展開されました。瑞江の死を経て、氷月がどのように成長し、チームを守るのかが描かれています。また、奥貫の誘拐事件が狂言である可能性が示唆され、投資詐欺や金銭トラブルが事件の裏に潜むことが浮き彫りに。
第5話:狂言誘拐と隠された資産運用の裏側
奥貫純生(小久保寿人)の誘拐事件が公開捜査に発展する中、氷月(波瑠)はこの事件に違和感を覚える。調査を進めると、奥貫は莫大な損失を隠していたことが発覚。彼の誘拐は「狂言」ではないかと推理する。
氷月は奥貫の妻・梨々花(小林涼子)に尋問を行うが、彼女は「夫の身を案じているだけ」と主張。しかし、彼女が事件現場近くにいた事実や、奥貫の会社の資金が不可解な動きをしていることから、氷月はさらに調査を進める。
一方、氷月班の木皿啓介(倉悠貴)は、事件当日に奥貫の車が目撃されたスーパーを調査。防犯カメラの映像から、奥貫が自ら車を運転していたことが判明し、誘拐事件が完全な狂言である可能性が高まる。
奥貫の背後には、投資詐欺の黒幕とされる西村圭一郎(小林正寛)の関与が疑われる。氷月たちは西村の家を捜索し、隠されていた帳簿と大量の現金を発見。さらに、西村が奥貫の「狂言誘拐」を知っていた可能性が浮上する。
事件の核心に迫る中、奥貫が突然失踪。彼の行方を追う氷月たちだったが、森の中で血まみれの奥貫が発見される。
感想&考察
第5話では、氷月の「カメラアイ」を駆使した捜査が光りました。奥貫の誘拐が狂言であることが明かされる中、彼の背後にいる投資詐欺の黒幕が誰なのか、物語が一気に加速。また、奥貫が最終的に何者かに襲われたことで、事件のさらなる闇が浮かび上がりました。
第6話:監察官の追及と新たな家庭内事件
氷月(波瑠)のもとに監察官・貝原松也(今井朋彦)が訪れ、瑞江律(柏木悠)の殉職について厳しく追及する。
氷月は冷静に対応するが、貝原は「彼の死に氷月の捜査手法が関与しているのではないか」と指摘し、彼女のカメラアイに対する不信感を露わにする。
そんな中、団地で起きた殺人事件の捜査が始まる。被害者は平間幸恵(滝沢涼子)。何度も殴られた痕跡があり、娘の純子(荒井玲良)と孫が遺体を発見する。さらに、純子の妹・葉子(吉田伶香)の行方が分からなくなっており、事件との関連性が疑われる。
氷月班は、葉子の恋人・海老塚堅斗(宮崎秋人)に接触。彼の証言から、葉子が事件当日に突然バイトを辞め、連絡が取れなくなっていたことが判明する。彼女の安否が気遣われる中、氷月は事件の背景にDVや家族の問題が潜んでいる可能性を考える。
土屋(山本耕史)は事件の聞き込みを進める中で、過去に似たような家庭内暴力事件を担当したことを思い出す。そして、葉子がストックホルム症候群に陥っている可能性があると推理し、彼女の捜索を強化する。
捜査が進む中、葉子が発見されるが、彼女は恋人の海老塚を庇い続ける。彼女の身体には無数の暴力の痕があり、警察が事件について問い詰めると、ついに涙を流しながら「母を助けようとしたら止められなかった」と語る。事件の真相は、母親の命を守るための必死の抵抗の末の事故だった。
しかし、海老塚は葉子を守るために罪を認めようとしない。氷月は「本当に彼女を守るならば、彼女を自由にすべきだ」と伝え、ついに海老塚は自首を決意する。
一方、監察官の貝原は氷月に対する監視を続けており、「捜査手法を改めなければ、次はお前が捜査対象になる」と警告を残す。氷月は静かにその言葉を受け止めるのだった。
感想&考察
第6話では、家庭内暴力という重いテーマが描かれました。加害者と被害者の関係が複雑に絡み合う中で、氷月の冷静な分析と、土屋の直感的な推理が光りました。また、監察官の貝原が氷月を標的にしている様子が強調され、氷月のカメラアイがもたらす功罪を巡る議論がさらに深まる中、次回の展開に注目が集まります
第7話:隠された真実と土屋の苦悩
土屋健次郎(山本耕史)は、柊氷月(波瑠)の内偵を続けるように命じられるが、彼はもう監察の指示には従えないと貝原松也(今井朋彦)に伝える。しかし貝原は、氷月が警察組織にとって危険な存在だと考え、土屋にさらなる監視を指示する。
そんな中、木皿啓介(倉悠貴)の快気祝いが開かれ、柊班のメンバーは久しぶりに一堂に会する。しかし氷月は、この場で柊班が特別待機班に降格されたことを告げる。班の未来が不透明になり、穂村正吾(森本慎太郎)や木皿は不満を抱く。解散後、土屋は氷月を呼び止め、「誤解を解きたい」と話すが、氷月は「監察の人間とは関わりたくない」と突き放す。
そんな中、山で散策中の男性が花形紗奈(大出菜々子)の遺体を発見する。彼女は「黒うさぎ」という名前で活動するネット配信者だった。状況は自殺に見えたが、氷月は違和感を抱き、調査を開始。彼女の自宅を訪れ、恋人の進藤大地(濱田龍臣)に話を聞くが、彼はショックを受け「自殺するような人ではなかった」と語る。
鑑定の結果、服毒自殺と判明。しかし、亡くなる前日に1000万円が引き出されており、その行方が不明だった。
穂村は、土屋が監察官であることを勝村英治(新納慎也)との会話から知る。さらに、監察のターゲットが氷月だけではなく、彼女の過去に関係している可能性を示唆。木皿も調査を進め、氷月の過去を知ることとなる。
一方、氷月の妹・柊陽菜(加藤菜津)の様子がおかしいことに気付き、彼女が何かを隠していることを察する。後に、陽菜が父の出所日を知っていたことが判明する。
沙奈のバイト先を訪れた氷月は、「沙奈に恋人の存在は感じられなかった」という証言を得る。また、沙奈の母から、彼女が家庭内暴力(DV)から逃れるために家を出たことを聞かされる。沙奈の境遇は、氷月の過去と重なるものがあった。
最終的に、沙奈が「ライバー」として稼いでいた投げ銭の出所が問題となる。最大の支援者である「サッドハッター」という投げ銭アカウントの正体が、大地だったことが判明。彼は表向きは恋人として沙奈を支えながら、裏では彼女を精神的に追い詰めていたのだった。
氷月は土屋を批判するが、土屋は「氷月を傷つけないために捜査を制限していた」と告げる。しかし、氷月はその言葉を受け入れず、ますます土屋との距離を広げていくのだった——。
感想&考察
第7話では、SNS社会の闇とストーカー気質の執着がテーマとなった。沙奈の死は単なる自殺ではなく、長年にわたる精神的支配と洗脳の結果だったことが明かされる。特に、進藤大地の「守るふりをしながら支配する」という歪んだ愛情が恐ろしく、氷月のカメラアイが決め手となった捜査が見応えがあった。
また、氷月の過去と監察の関係性がさらに深まり、彼女が監視される理由が単なる能力の危険性ではなく、もっと根深い因縁にある可能性が示唆された。土屋との確執も決定的となり、次回以降の展開がさらに気になるエピソードでした。
第8話:ストーカーの正体と柊班の別れ
土屋健次郎(山本耕史)が監察から手を引いたと言われても信じられない柊氷月(波瑠)。彼を完全には信用しきれないまま、次の事件に直面する。
人気ライバーの花形紗奈(大出菜々子)が、自殺と見られる遺体で発見された。警察は自殺と判断しようとするが、氷月はその死に違和感を抱く。遺体のそばには「私は穢れた黒うさぎ」と書かれたメモがあり、SNS上では誹謗中傷が飛び交っていた。
紗奈の恋人・進藤大地(濱田龍臣)は、彼女がライバーをしていたことを知らず、ショックを受ける。そして彼は「彼女が自殺するとは思えない」と氷月に伝えるが、氷月は違和感を覚える。
氷月は木皿啓介(倉悠貴)に調査を依頼し、紗奈の投げ銭履歴を調べる。すると、彼女は1000万円もの大金を稼いでおり、そのうち800万円は特定のアカウント「サッドハッター」からのものだった。さらに、紗奈はこの投げ銭をしていた人物と実際に会っていた可能性が浮上する。
捜査を進めるうちに、氷月は「紗奈がストーカーに悩まされていた」という証言を得る。ストーカーの正体を探るべく、紗奈の父・龍二(波岡一喜)を尋問すると、彼は違法な仕事で金を稼いでいたことを認める。
さらに、氷月は「サッドハッター」の正体が進藤大地であることを突き止める。彼は別のアカウントを使い、紗奈の配信に投げ銭しながら、裏では誹謗中傷を煽っていた。目的は、彼女を孤立させ、自分だけを頼るように仕向けることだった。
氷月と土屋は、大地が紗奈の家にあるものを回収している場面に遭遇する。追い詰められた大地は、紗奈を自分のものにするために殺害したことを認める。氷月は「それは歪んだ愛情だ」と突きつけ、二度と紗奈の笑顔が戻らないことを告げる。
事件が解決し、土屋は柊班を去る決意を固める。氷月は「裏切られたと思っても信じたかった」と伝えるが、土屋は何も言わずに去ってしまう。
家に戻った氷月は、陽菜(加藤菜津)が父・夏見喜次の出所を知っていたことを知る。そして、妹が彼と密かに接触していたことに衝撃を受けるのだった——。
感想&考察
第8話では、ストーカーの異常な執着心とSNS社会の闇が浮き彫りになった。特に、進藤大地の「守るふりをしながら支配する」という歪んだ愛情が恐ろしく、氷月の冷静な推理が事件解決の決め手となった。また、土屋との決別が大きな転機となり、彼の不在が氷月にどのような影響を与えるのかも気になる。
さらに、氷月の父の出所という新たな問題が浮上し、物語はクライマックスに向けて一気に加速していく。氷月は父とどう向き合うのか——次回の展開に期待が高まる。
第9話:父の出所と拳銃強奪事件
あらすじ
柊氷月(波瑠)は妹・陽菜(加藤菜津)の手帳を目にし、母を殺した父・夏見喜次(杉本哲太)が出所間近だと知る。さらに、陽菜が氷月に黙って夏見と面会していたことが発覚。ショックを受けた氷月は「もう会わないでほしい」と強く言うが、陽菜は反発する。
一方、氷月のことを内偵していた土屋健次郎(山本耕史)が刑事総務課へ異動となり、柊班は氷月、穂村正吾(森本慎太郎)、木皿啓介(倉悠貴)の3人だけとなっていた。さらに、係長の赤松紳一(菅原大吉)から班の解散を告げられ、一同に動揺が走る。
そんな中、夏見が出所した日に小金井署管内の交番で警察官が殺害され、拳銃が奪われる事件が発生。被害者の警察官・田所保(橋本拓也)は何者かに刃物で襲われた後、奪われた拳銃で撃たれていた。持ち去られた拳銃には残り4発の弾丸が入っていた。
情報提供のビラ配りをしていた氷月は、発砲音を聞き駆け出す。続けてもう一度銃声が響き、現場へ急行すると、拳銃を手にした夏見の姿を目撃。氷月は彼を追うが、その先には銃弾に倒れた遺体があった。
遺体は岩田春樹(木原勝利)。殺人の前科がある男で、ウォレットチェーンを身に着けていたが、財布はなく、犯人が持ち去った可能性があった。氷月は「拳銃を持った不審者」を目撃したと報告するが、それが夏見であることは伏せる。しかし、現場の指紋鑑定によって、氷月の父親であることが判明し、彼女は捜査から外される。
事件と父の関与に揺れる氷月。捜査から外された彼女は、ある決断を下すのだった——。
感想&考察
第9話では、氷月の過去と現在が交錯し、彼女の精神的な葛藤が鮮明に描かれます。母を殺した父が出所し、しかもその父が警察官襲撃と殺人事件の容疑者となるという展開は、氷月にとってこれまでで最も過酷な試練です。また、班の解散を告げられ、氷月がますます孤立。
彼女が父を追いながらも、彼の無実を信じたいのか、それとも罪を裁きたいのか——氷月の決断がどのような結末を迎えるのか、次回の展開が非常に気になります。
物語の結末と考察
伏線回収のポイント
『アイシー』では、数々の伏線が巧妙に張り巡らされていました。
- 氷月の過去とカメラアイの関係:母親を殺された記憶が、彼女の捜査スタイルや生き方に大きな影響を与えていた。
- 土屋の内偵の目的:彼が監察官の指示で氷月を監視していた理由が、単なる職務ではなく、彼自身の信念と葛藤にあったことが明かされる。
- 柊班の解散と再生:解散を命じられた柊班が、最終的にどのような形で存続するのかが物語の鍵となった。
- 夏見喜次の出所と事件との関連:氷月の父が警察官殺害事件に関与しているように見えたが、実際には裏でより大きな陰謀が進行していた。
氷月と土屋の関係
氷月と土屋の関係は、単なる上司と部下の関係を超えたものとなっていた。
- 土屋は最初、氷月を監視する立場にあったが、彼女の捜査への真摯な姿勢を目の当たりにするうちに、尊敬と信頼の念を抱くようになる。
- 一方の氷月も、土屋の裏切りともとれる行動に戸惑いながらも、彼の本心を知ることで次第に理解を深めていった。
- 最終話では、土屋が氷月を守るために重大な決断を下すシーンが描かれ、二人の関係性が大きく変化する。
氷月の父の出所が示す今後の展開
氷月の父・夏見喜次の出所は、物語の転換点となった。
- 彼が本当に更生しているのか、それとも新たな犯罪に関与しているのかという疑問が、氷月の中で渦巻く。
- 事件の捜査を進める中で、彼が単なる加害者ではなく、何らかの巨大な陰謀に巻き込まれている可能性が浮上。
- 氷月は父の真意を探るために、今後さらに彼との関係を深掘りしていくことになりそうだ。
最終回の予想
物語はいよいよクライマックスに突入。最終回では、以下のような展開が予想される。
- 夏見喜次の真実:彼は本当に事件の犯人なのか、それとも黒幕に利用されているのか?氷月が彼に直接対峙するシーンが描かれる可能性が高い。
- 氷月の決断:父の罪を裁くのか、それとも彼を信じるのか?彼女の刑事としての信念と、娘としての想いが試される。
- 柊班の未来:解散が決まった柊班が、最後にどのような形で事件を解決するのか。新たな道を見つけ、再結成の可能性も?
- 土屋の再登場:異動した土屋が最後の鍵を握る重要な情報を持って登場するかもしれない。
- 氷月のカメラアイの使い方:これまで以上に彼女の記憶力が事件解決の決め手となり、最も重要な証拠を導き出すシーンが描かれそうだ。
果たして、氷月は事件の真相に辿り着くことができるのか——?
まとめ
「アイシー」はどんなドラマなのか?
『アイシー』は、単なる刑事ドラマではなく、「記憶」と「真実」に翻弄される人々の心理を描いた作品。
- 主人公・柊氷月の冷徹ながらも人間的な成長が、視聴者に強く訴えかけた。
- 「カメラアイ」という特殊能力を活かしつつも、それが必ずしも万能ではなく、むしろ苦しみを伴うものであることがリアルに描かれた。
- 複雑に絡み合う人間関係や、警察組織内の対立、そして犯罪者たちの心理描写が重厚なストーリーを生み出した。
今後の続編やスピンオフの可能性
『アイシー』は、続編やスピンオフの可能性を十分に秘めている。
- 続編の可能性:
- 氷月の父・夏見喜次のその後。
- 解散した柊班のメンバーたちの新たな活躍。
- 土屋が異動後にどのような役割を果たすのか。
- スピンオフの可能性:
- 土屋健次郎を主人公にした「警察内部の闇」に迫る作品。
- 柊班の他メンバー(穂村や木皿)の過去や、それぞれの視点から描かれるストーリー。
今後の展開や続編の可能性についても、ぜひ注目していきましょう!